重い障害があり、常に介護を必要とする方が、ご家族の負担を心配したり、施設への入所を考えたりすることなく、住み慣れた地域で暮らし続けたい——。

重度訪問介護は、そんな願いを実現するための、手厚く総合的なサポートサービスです。

ホームヘルパーがご自宅などを訪問し、食事や入浴といった身体介護や家事に加え、長時間の「見守り」や、社会参加を含む「外出時の支援」まで、生活のあらゆる場面を一体的に支えます。細切れの支援ではなく、暮らし全体を長時間にわたってサポートするのが大きな特徴です。

原則として障害支援区分が「区分4」以上の方が対象となり、病院に入院中であっても、意思疎通の支援などのために利用することができます。

利用料金は所得に応じた上限額が定められているため、長時間の利用でも安心です。ご本人の尊厳を守り、地域での自分らしい生活を実現するための、非常に重要なサービスです。

重度訪問介護 に関するよくある質問

Q1. 「居宅介護(ホームヘルプ)」とは、どう違うのですか?

A1. 大きく3つの違いがあります。

  1. 対象者: 居宅介護が比較的幅広い方を対象とするのに対し、重度訪問介護は常に介護を必要とする重度の方(原則、障害支援区分4以上)を対象とします。
  2. サービス内容: 居宅介護が「入浴」「調理」など個別のケアを時間単位で行うのに対し、重度訪問介護は「見守り」や「外出支援」も含め、生活全体を長時間にわたり総合的にサポートします。
  3. 利用場所: 重度訪問介護は、ご自宅だけでなく、病院に入院中であっても意思疎通の支援などを目的に利用できる場合があります。
Q2. 「常に介護が必要」とは、具体的にどのような状態が対象になりますか?

A2. ご本人の感覚だけでなく、行政の認定調査によって客観的に判断されます。具体的には、障害支援区分が「区分4以上」であることに加え、「二肢以上に麻痺がある」「行動障害の点数が一定以上である」など、定められた基準を満たす方が対象となります。詳しくはお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口にご確認ください。

 

Q3. 外出の支援では、どこまでお願いできますか?

A3. 通院や公的手続きはもちろん、趣味の活動やイベントへの参加、買い物など、社会参加を目的とした外出も幅広くサポートの対象となります。単なる移動の介助だけでなく、外出中の食事や排せつの介助、不測の事態に備えた見守りも一体的に行われるため、安心して外出を楽しむことができます。

Q4. 「見守り」とは、具体的に何をしてくれるのですか?

A4. ただ側にいるだけでなく、ご利用者様の安全を確保し、快適に過ごせるように支援する重要なケアです。例えば、就寝中の体位変換、痰の吸引や水分補給、緊急時の対応、コミュニケーションによる精神的なサポートなどが含まれます。日常生活の中で、常に支援が必要な方のための切れ目のないケアです。

 

Q5. 病院に入院していても使えるというのは本当ですか?

A5. はい、本当です。障害支援区分が「区分6」の方で、特に意思疎通に支援が必要な場合などが対象となります。病院の看護師さんとは別に、ご本人のことをよく理解したヘルパーがコミュニケーションを補ったり、固有のニーズに対応したりすることで、入院中の不安を和らげ、適切な治療を受けられるように支援します。

 

Q6. 長時間利用すると、費用がとても高くなりそうで心配です。

A6. サービス時間が長くなるため、費用の総額は高額になりがちです。しかし、自己負担額については、他の障害福祉サービスと同様に、世帯の所得に応じた「月額上限額」が定められています。そのため、どれだけサービスを利用しても、自己負担額が上限を超えることはありませんのでご安心ください。

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