自宅や一般的な福祉施設では対応が難しい、手厚い医療的ケアと、常時の介護の両方が必要——。

療養介護は、そのような方が病院などの医療機関に長期的に入院しながら、医療と福祉のサービスを一体的に受けられる制度です。

日中、医師や看護師の管理のもとで、リハビリ(機能訓練)や身体の介護、日常生活の支援など、福祉的なサポートを受けられるのが大きな特徴です。医療と福祉が密に連携し、ご本人が安心して療養に専念できる環境を整えます。

対象となるのは、常に介護が必要で、人工呼吸器による管理や重い身体障害などがあり、長期入院を必要とする、主に障害支援区分5または6の方です。

医療と福祉の専門家が連携し、ご本人の安全と生活の質(QOL)を守るための、専門性の高いサービスです。

療養介護 に関するよくある質問

Q1. 「施設入所支援」や「短期入所(医療型)」とは、どう違うのですか?

A1. 支援の場所と、医療の必要性の高さが異なります。

  • 療養介護: 病院に入院し、人工呼吸器の管理など常に専門的な医療が必要な方が、長期的に医療と福祉のケアを同時に受けます。
  • 施設入所支援: 福祉施設に入所し、日常生活の介護を中心に受けます。医療的ケアが必要な場合も、施設内で対応可能な範囲に限られます。
  • 短期入所(医療型): 医療機関に一時的・短期間宿泊するサービスで、主に介護者の休息(レスパイト)などを目的とします。
Q2. 「医療」と「福祉」が一体的とは、具体的にどういうことですか?

A2. 病院では通常、治療や看護が中心です。療養介護ではそれに加え、介護福祉士などの福祉の専門職が配置され、日中のリハビリやレクリエーション、きめ細やかな身体介護、相談支援など、治療以外の「日々の生活の質」を高めるための福祉サービスが、医療と並行して計画的に提供されます。

Q3. どんな人が対象になりますか?

A3. 非常に専門的な医療的ケアと、常時の介護の両方が必要な方が対象です。具体的には、障害支援区分が5以上で、人工呼吸器を使っている方、重症心身障害のある方、進行性の難病の方など、ご自宅や一般の福祉施設での生活が困難な方が想定されています。利用には医師の医学的な判断と、市区町村の認定が必要です。

Q4. 費用は、普通の入院費と同じですか?

A4. 少し異なります。費用は大きく2つの部分から成り立ちます。

  1. 医療費: 治療や投薬、検査など、健康保険が適用される部分。
  2. 福祉サービス費: 介護や訓練など、障害福祉サービスとして提供される部分。 この「福祉サービス費」に対して、所得に応じた自己負担の月額上限が適用されます。その他に、入院中の食費などの実費負担が必要です。
Q5. 一度利用すると、ずっと入院し続けることになりますか?

A5. 療養介護は長期利用が前提ですが、必ずしも永続的とは限りません。ご本人の状態が安定し、ご自宅での医療的ケアの環境が整えば、在宅サービス(例えば「重度訪問介護」など)に切り替えて退院することも選択肢の一つです。ご本人やご家族、医療・福祉の専門家で定期的に話し合い、将来の方針を検討していきます。

Q6. どこに相談すれば利用できますか?

A6. まずは、現在入院されている病院の医療ソーシャルワーカーや、地域の相談支援事業所にいる相談支援専門員にご相談ください。ご本人の状態が療養介護の対象となるか、医師や関係者と連携して確認し、市区町村への申請手続きを進めてくれます。

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