重度障害者等包括支援
常に介護が必要なうえ、意思疎通にも困難を抱える最重度の障害がある方にとって、生活に必要な支援は多岐にわたります。「訪問介護も、日中活動も、短期入所も必要だけど、それぞれ手続きや調整が大変…」
重度障害者等包括支援は、そのような悩みを解決するため、必要な複数の福祉サービスを一つのパッケージとして、切れ目なく総合的に提供する仕組みです。
個別にサービスを契約する手間が省け、指定の事業者が一元的な窓口となり、ご本人の状態に合わせて、訪問介護や生活介護、短期入所などを柔軟に組み合わせて提供します。
対象となるのは、障害支援区分が最も高い「区分6」の方のうち、人工呼吸器を使用している方や、最重度の知的障害がある方など、特に支援の必要性が高いと認められた方です。
どれだけ多くのサービスを使っても、利用料の自己負担には月額上限が定められています。どんなに重い障害があっても、地域で安心して暮らし続けるための、まさに「包括的」な支援です。
重度障害者等包括支援 に関するよくある質問
- Q1. 「重度訪問介護」とは、どう違うのですか?
A1. 「重度訪問介護」は、ご自宅でのケアを中心とした一つのサービスです。一方、「重度障害者等包括支援」は、その重度訪問介護に加えて、日中活動の場である「生活介護」や、一時的な宿泊「短期入?」、その他の必要なサービスを**まとめて一つの契約で利用できる「パッケージ制度」**という点が根本的に異なります。
- Q2. 「包括的」とは、具体的にどういうメリットがあるのですか?
A2. 大きく2つのメリットがあります。
- 窓口の一本化: サービスごとに事業者を探して契約・調整する必要がなく、一つの事業所が窓口となり、すべての支援を一貫して管理してくれます。
- 柔軟なサービス提供: 例えば「今日は体調がいいから日中活動の時間を長く」「今週は家族が不在なので短期入所を」といった、日々の状態の変化に合わせ、事業者が必要なサービスを柔軟に組み合わせて提供しやすくなります。
- Q3. 対象者の条件が非常に厳しいようですが、どうすれば利用できますか?
A3. はい、このサービスは支援の必要性が極めて高い、限られた方が対象です。ご自身で判断するのは難しいため、まずは市区町村の障害福祉担当窓口や、担当の相談支援専門員にご相談ください。障害支援区分「区分6」の認定を受けた上で、専門家が詳細な状況を伺い、対象となるかどうかを判断します。
- Q4. 多くのサービスを組み合わせると、利用料金が非常に高くなりませんか?
A4. 利用するサービスが増えるため、費用の総額(10割分)は高額になります。しかし、ご本人が支払う自己負担額には、他の障害福祉サービスと同様に、世帯の所得に応じた**「月額上限額」**が適用されます。この制度を利用したことで、自己負担額の上限が引き上げられることはありませんのでご安心ください。
- Q5. どんなサービスでも組み合わせられるのですか?
A5. 法律で定められた主要なサービス(居宅介護、重度訪問介護、生活介護、短期入所、同行援護、行動援護など)を必要に応じて組み合わせます。利用者の「あれもこれも自由に選べる」というよりは、指定された事業者が専門的な視点から、その方の生活全体を支えるために必要なサービスを組み合わせて計画を立て、提供する、という形になります