看護師の「お礼奉公」中に辞めたい!奨学金の一括返済を回避して退職する方法

「病院の奨学金を借りて看護学校に通ったから、お礼奉公の期間が終わるまでは絶対に辞められない」
「今辞めると、数百万円を一括返済しろと言われてしまう……」

毎日の激務に心身ともに限界を感じていても、奨学金の返済義務が足かせとなり、無理をして働き続けている若手看護師さんは少なくありません。いわゆる「お礼奉公」の縛りは強力ですが、実は、期間中であっても退職することは法律上可能です。

この記事では、奨学金返済(お礼奉公)の期間中に退職したい看護師さんのために、一括返済のリスクを回避する方法や、トラブルなく辞めるための手順を解説します。

「もう限界……」と感じているなら、まずは正しい知識を身につけて、自分の身を守る選択肢を知ってくださいね。

看護師の「お礼奉公」期間中でも退職は可能

まず結論からお伝えすると、病院と約束した勤務年数(お礼奉公期間)を満たしていなくても、退職することは可能です。

病院側が「奨学金を借りているのだから、契約期間までは辞めさせない」と引き留めるケースがありますが、これには法的な拘束力はありません。

法律で守られる「退職の自由」

日本国憲法では「職業選択の自由」が保障されており、労働者には退職する権利があります。また、民法上でも期間の定めのない雇用契約であれば、退職の申し入れから2週間経過すれば雇用契約は終了すると定められています。

さらに、労働基準法では以下のように定められています。

労働基準法 第16条(賠償予定の禁止)
使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。

つまり、「途中で辞めたら違約金として〇〇万円払え」という契約は違法です。したがって、「辞めること」そのものを病院側が拒否することはできません。

「辞めること」と「借金を返すこと」は別の問題

ここで注意が必要なのは、「退職できること」と「奨学金の返済義務がなくなること」はイコールではないという点です。

多くの病院奨学金の契約は、「指定された期間勤務すれば返済を免除する」という特約付きの金銭消費貸借契約(お金の貸し借り)になっています。そのため、勤務期間の条件を満たさずに退職する場合、「返済免除の条件から外れたので、借りたお金を返してください」と請求されることになります。

これは違約金(罰金)ではなく、あくまで「借りたお金の返還」であるため、労働基準法違反にはなりません。

奨学金(お礼奉公)の途中退職で発生するリスク

お礼奉公の途中で退職する場合、最大のリスクはやはり金銭面です。具体的にどのような請求が来るのか、一般的なパターンを把握しておきましょう。

原則は「残額の一括返済」

多くの奨学金契約書には、「勤務期間を満たさずに退職する場合、貸与額の全額(または残存期間分)を一括で返済する」といった条項が含まれています。

例えば、月5万円を3年間借りていた場合、総額は180万円です。これを一括で返せと言われると、若手看護師にとっては非常に大きな負担となります。

利息が上乗せされるケースも

契約内容によっては、貸与元金だけでなく、所定の年利(利息)を上乗せして請求される場合があります。契約書に利率についての記載があるか、必ず確認しましょう。

辞める前に、手元にある「奨学金貸与契約書」や「誓約書」を必ず読み返して、返済条件を確認するのが第一歩です!

お礼奉公を辞めたいときの一括返済を回避・解決する方法

「辞めたいけれど、一括返済できる貯金なんてない……」と絶望する必要はありません。一括返済が難しい場合でも、現実的な解決策はいくつか存在します。

1. 「奨学金肩代わり」制度のある病院へ転職する

これが最も金銭的負担が少なく、おすすめの方法です。
看護師不足に悩む病院の中には、「うちに来てくれるなら、前の病院への奨学金返済分を代わりに支払います(肩代わりします)」という制度を設けているところがあります。

これを「立替払い制度」や「奨学金返済サポート」と呼びます。転職先の病院が返済金を立て替えてくれるため、あなたは手出しなしで現在の病院を退職し、新しい病院で改めてお礼奉公(勤務による返済免除)をスタートさせることができます。

2. 病院側と「分割払い」の交渉をする

契約書に「一括返済」と書かれていても、交渉次第で分割払いに応じてもらえることがあります。病院側としても、一括で払えず踏み倒されるよりは、分割でも確実に回収できたほうが良いためです。

  • 「退職の意思は固いが、一括返済は経済的に不可能であること」
  • 「分割であれば毎月〇万円ずつ確実に返済できること」

これらを誠意を持って伝え、合意書を作成しましょう。自分での交渉が怖い場合は、退職代行サービスや弁護士を挟むのも一つの手です。

3. 親族からの借入や教育ローンへの借り換え

病院との縁をきっぱり切りたい場合は、銀行の教育ローンや多目的ローンで資金を借り、病院へ一括返済してしまう方法もあります。その後、銀行へ毎月少しずつ返済していきます。利子はつきますが、病院とのしがらみがなくなる精神的なメリットは大きいです。

トラブルなく退職するための具体的な手順

お礼奉公期間中の退職は、通常の退職よりも揉めやすい傾向にあります。トラブルを最小限に抑えるために、以下の手順で進めましょう。

STEP1:契約書と就業規則を確認する

まずは敵を知り、己を知ることです。

  • 返済免除の条件は?
  • 退職時の返済方法は一括のみか?
  • 退職予告期間は何ヶ月前か?(就業規則を確認)

これらを事前にチェックしておきます。

STEP2:転職エージェントに相談する(肩代わり求人の確認)

退職を申し出る前に、次の行き先、特に「奨学金の肩代わりが可能か」を調査しておくのが賢明です。自分一人で探すのは難しいため、看護師専門の転職エージェントに「奨学金の残債があるが転職したい」と相談してみましょう。

重要ポイント
病院に「辞めます」と言う前に、次の病院の目星をつけておくことで、金銭的な不安を解消してから交渉に臨めます。

STEP3:退職の意思を伝える

直属の師長にアポイントを取り、退職の意思を伝えます。「辞めたいです」という相談ではなく、「〇月末で退職させていただきます」という報告のスタンスで臨むのが重要です。

理由は「一身上の都合」が基本ですが、引き留めが激しい場合は「体調不良」や「家庭の事情」など、やむを得ない事情を伝えるとスムーズに進みやすいです。

STEP4:返済方法の合意

退職日が決まったら、事務方と奨学金の返済について話し合います。

  • 転職先が肩代わりしてくれる場合は、その旨を伝え、振込先などを確認する。
  • 自力返済の場合は、一括か分割かの合意書を取り交わす。

まとめ:お礼奉公の縛りで人生を消耗しないで

「奨学金を借りたからには、何があっても働き続けなければならない」という責任感は素晴らしいですが、それによって心身を壊してしまっては元も子もありません。

お礼奉公の期間中であっても、以下の方法で現状を変えることは可能です。

1. 法律上、退職は自由であると知る
2. 「奨学金肩代わり」求人を利用して、借金をチャラにして転職する
3. 分割払いの交渉をする

一人で病院側と対峙するのが怖い場合や、肩代わりしてくれる病院を探したい場合は、看護師転職のプロに相談するのが一番の近道です。あなたの看護師人生を守るために、勇気ある一歩を踏み出してください。


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看護師の「お礼奉公」期間中に辞めたい方へ。奨学金の一括返済を求められるリスクへの対処法や、返済免除(肩代わり)で転職する裏ワザを解説。法的には途中退職も可能です。借金に縛られず、無理なく働くための解決策を紹介します。