slug: chief-care-manager-no-benefits
meta description: 「主任ケアマネは研修が大変な割に給料が上がらないからメリットがない」と感じていませんか?現役ケアマネが抱える不満の正体と、それでも資格取得が「将来の生存戦略」として必要な理由を現実的な視点で解説します。

主任ケアマネはメリットない?研修地獄と責任の重さに見合う価値はあるのか徹底検証

「上司から主任ケアマネの研修を受けるよう言われたけれど、正直気が進まない……」
「時間とお金をかけて資格を取っても、責任が増えるだけで給料はさほど変わらないのでは?」

キャリアを積んだケアマネジャーなら、一度はこのような葛藤を抱いたことがあるのではないでしょうか。

70時間もの研修を受けて、更新研修もあって、受講料も高額。それに見合うリターンがあるようには思えないんですよね……。

結論から言うと、「短期的・金銭的なコスパ」だけで見れば、主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)のメリットは薄いと感じるのが正直なところでしょう。しかし、長くこの業界で働き続けるための「生存戦略」として見た場合、その意味合いは大きく変わってきます。

今回は、現場のケアマネが「メリットがない」と感じるリアルな理由と、それでも取得すべき本当の理由について、綺麗事抜きで解説します。

なぜ「主任ケアマネはメリットがない」と言われるのか

多くの現役ケアマネジャーが「主任ケアマネなんて割に合わない」と口を揃えるのには、明確な根拠があります。まずはそのネガティブな実態を直視してみましょう。

1. 研修の負担が大きすぎる(時間・費用)

最大のハードルは、取得にかかるコストです。主任介護支援専門員研修は、通常の更新研修とは比較にならないほどの重負担を強いられます。

  • 時間の拘束: 合計70時間(10日〜12日間程度)の講義と演習。
  • 費用の負担: 受講料は都道府県により異なりますが、およそ3万円〜6万円程度。
  • 業務との両立: 多くの事業所では、研修期間中も担当件数を減らしてもらえず、レポート作成や予習復習を業務時間外や休日にこなす必要があります。

これだけの労力をかけても、資格取得後に劇的に業務が楽になるわけではありません。むしろ「研修地獄」と呼ばれるほどの過酷さが、取得意欲を削ぐ最大の要因です。

2. 給料の上昇幅が労力に見合わない

苦労して資格を取ったのだから、給料も大幅アップ……と期待したいところですが、現実はシビアです。

厚生労働省のデータ(※)などを見ても、一般のケアマネジャーと主任ケアマネジャーの給与差は、月額で1万円〜2万円程度の差に留まるケースが多く見られます。
資格手当がついたとしても、月5,000円〜1万円程度という事業所も珍しくありません。

「責任と業務量は倍になるのに、手取りは数千円しか変わらない」という現実に直面した時、「メリットがない」と感じるのは当然の心理と言えます。

3. 責任と業務量だけが増加する

主任ケアマネになると、単に担当ケースを持つだけでなく、以下のような役割が追加されます。

  • 事業所内の他のケアマネジャーの指導・育成
  • 地域包括支援センターや行政との連携会議への出席
  • 困難事例への対応・スーパービジョン

これらは本来やりがいのある業務ですが、現場が忙しすぎる場合、「自分の仕事が終わらないのに他人の面倒まで見なければならない」というストレス要因になりがちです。

ここまでのまとめ
主任ケアマネが「割に合わない」と言われる理由
  • 70時間にも及ぶ研修とレポート作成が過酷すぎる
  • 資格手当等の昇給額が、労力に対して少なすぎる
  • 指導業務や困難事例への対応など、プレッシャーだけが増える

それでも取得するべき「隠れたメリット」と将来性

ここまでデメリットばかりを挙げましたが、それでも多くのケアマネが主任資格を目指すのには理由があります。それは「今の給料」ではなく、「将来のキャリアと雇用の安定」に直結するからです。

1. 「特定事業所加算」取得のための必須要件

これが最も現実的かつ強力な理由です。
介護報酬の改定により、質の高いケアマネジメントを行う事業所を評価する「特定事業所加算」の要件が厳格化されています。この加算算定には、主任ケアマネジャーの配置や、管理者が主任ケアマネであることが必須条件(※経過措置あり)となっています。

つまり、事業所側からすれば「主任ケアマネがいないと経営が成り立たない(収益が下がる)」という状況になりつつあるのです。

  • リストラ対策: 事業所が縮小・統合される際、主任資格がないケアマネは立場が弱くなる可能性があります。
  • 転職の切り札: どの事業所も加算を取りたいため、主任ケアマネは「喉から手が出るほど欲しい人材」です。好条件での転職が圧倒的に有利になります。

2. 管理者・独立へのパスポート

2021年度(令和3年度)の制度改正により、居宅介護支援事業所の管理者は、原則として「主任ケアマネジャー」でなければならないと定められました(経過措置期間あり)。

もしあなたが将来的に、
「今の事業所で管理者になりたい」
「いつか独立して自分の事業所を持ちたい」
と考えているなら、主任ケアマネの資格は選択肢ではなく必須条件です。資格がないというだけで、キャリアの天井が決まってしまうのです。

3. スキルアップによる精神的負担の軽減

「メリットがない」論では見落とされがちですが、研修を通じて得られる知識やスーパービジョンの技術は、日々の業務を助けてくれます。

  • 困難事例に直面した際の引き出しが増える
  • 行政や他職種との交渉力が身につく
  • 新人指導の際の「伝え方」が論理的になる

結果として、業務の効率化やトラブルの未然防止につながり、精神的な消耗を防ぐという見えないメリットがあります。

「メリットがない」と感じるなら環境を変えるべきサイン

もしあなたが主任ケアマネを取得しても、「給料も上がらないし、ただ忙しくなっただけ」と感じている、あるいはそうなることが確実な場合、それは資格のせいではなく、事業所の評価制度の問題かもしれません。

特定事業所加算を取得している事業所や、人材育成に力を入れている大手法人であれば、主任ケアマネにはそれ相応の待遇(年収400万〜500万円以上など)を用意しています。

せっかく苦労して取る資格なんだから、ちゃんと評価してくれる場所で働きたいですよね。

「資格を取れ」と言うだけで、費用負担も業務調整も昇給も約束してくれない事業所であれば、「資格を取得してから、それを手土産に好条件の職場へ転職する」というのが、最も賢い主任ケアマネ資格の活用法と言えるでしょう。

まとめ:主任ケアマネは「未来への保険」である

「主任ケアマネ メリット ない」という検索ワードの裏には、過酷な研修と増えない給料への嘆きがあります。その感覚は決して間違いではありません。

しかし、介護業界全体の流れを見ると、主任ケアマネ資格は「ケアマネジャーとして生き残るための免許証」になりつつあります。

主任ケアマネ取得の判断基準
こんな人は取得すべき
  • 今後も長くケアマネとして働きたい
  • 将来的に管理者や独立を目指している
  • 転職市場での価値を高めたい
  • 給料アップのために、条件の良い事業所へ移る準備をしたい

こんな人は慎重に

  • 数年以内に定年退職や異業種への転職を考えている
  • 現在の業務量で限界を感じており、これ以上の責任は負えない

上司からの打診は、面倒な命令に聞こえるかもしれませんが、あなたの市場価値を高めるチャンスでもあります。今の職場でのメリットが薄くても、資格そのものはあなたの一生の財産になります。

「今の職場のために」ではなく、「自分の未来のために」取得を検討してみてはいかがでしょうか。