スラッグ・メタディスクリプション
- スラッグ: `facility-visiting-nursing-merit-demerit`
- メタディスクリプション: 施設内訪問看護の求人に興味がある看護師へ。移動がない、効率的といったメリットだけでなく、人間関係や業務範囲などのデメリットも徹底解説。自分に合う働き方か判断するためのチェックリストも紹介します。
施設内訪問看護とは?一般の訪問看護との違いやメリット・デメリットを徹底解説
「訪問看護に興味はあるけれど、雨の日の移動や、一人で患者様宅へ行くのは不安……」
「『施設内訪問看護』という求人を見つけたけれど、普通の老人ホーム勤務とは何が違うの?」
転職活動中に、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に併設された事業所の求人を目にして、このような疑問を持つ看護師さんは少なくありません。
施設内訪問看護は、一般的な訪問看護(居宅への訪問)と施設勤務の「いいとこ取り」ができる働き方として人気ですが、特有の大変さも存在します。
この記事では、施設内訪問看護の仕組みや、働くうえでのメリット・デメリットを詳しく解説します。
施設内訪問看護とは?
施設内訪問看護とは、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの建物内に併設(または近接)された訪問看護ステーションから、その施設に入居している利用者様のお部屋へ訪問して看護を提供する働き方です。
一般的な訪問看護が、地域に点在する利用者様の自宅へ車や自転車で移動するのに対し、施設内訪問看護は「建物内での移動」だけで完結するのが最大の特徴です。
「施設看護師」との違い
よく混同されるのが、老人ホームに直接雇用される「施設看護師」です。
仕事内容は似ていますが、制度上の位置づけが異なります。
- 施設看護師: 施設の職員として、入居者の健康管理全般を行う。配置基準に基づいて雇用される。
- 施設内訪問看護: 訪問看護ステーションの職員として、医師の指示書に基づき、契約した入居者に対して個別にケアを行う。介護保険や医療保険を利用する。
働く側としては「同じ建物内でケアをする」という点では共通していますが、施設内訪問看護の方が「1対1のケア」に集中しやすい傾向があります。
- 勤務地: 施設内の訪問看護ステーション
- 訪問先: 同じ建物内の入居者様の居室
- 移動手段: 徒歩(エレベーターや廊下の移動のみ)
- 対象: 主に要介護度の高い高齢者や、医療依存度が高い方
施設内訪問看護で働く5つのメリット
まずは、多くの看護師が魅力に感じるメリットから見ていきましょう。特に「移動」と「環境」に関する利点が大きいです。
1. 天候や交通状況に左右されない
最大のメリットは、屋外への移動がないことです。
一般的な訪問看護では、豪雨や台風、夏の猛暑、冬の積雪の中でも、自転車や車で移動しなければなりません。施設内訪問看護なら、空調の効いた館内を移動するだけなので、身体的な負担が大幅に軽減されます。
2. 移動時間がなく効率的に働ける
車や自転車での移動時間がないため、その分をケアの時間や記録の時間に充てることができます。「渋滞で次の訪問に遅れそう」といったプレッシャーもありません。
また、忘れ物をしてもすぐにステーションに取りに戻れる安心感があります。
3. 他のスタッフが近くにいる安心感
居宅への訪問看護は基本的に一人行動ですが、施設内であれば、すぐ近くに介護士や他の看護師がいます。
利用者の急変時や、一人では対応が難しい処置の際も、すぐにヘルプを呼べる環境は、訪問看護未経験者にとって大きな安心材料です。
4. 利用者様の生活全体を把握しやすい
24時間365日生活している場にお邪魔するため、利用者様の普段の様子や、食事・排泄の状況などを、施設の介護スタッフと密に連携して把握できます。
「前回の訪問から今回の訪問まで何があったか」が見えやすいため、より適切なケアプランを立てやすくなります。
5. 施設によっては医療依存度が高いケアも経験できる
「ホスピス型住宅」や「医療特化型有料老人ホーム」などの場合、難病の方やターミナル期の方、人工呼吸器を使用している方が多く入居されています。
こうした施設での訪問看護は、病院並みの高度な医療処置や、深い看取りのケアに関わることができ、看護師としてのスキルアップにもつながります。
施設内訪問看護のデメリット・大変なこと
メリットが多い一方で、施設内という閉鎖的な環境ならではのデメリットもあります。転職後に後悔しないよう、しっかり確認しておきましょう。
1. 介護職との人間関係・役割分担の難しさ
もっとも多くの看護師が悩むのが、施設スタッフ(介護職)との関係性です。
同じ建物内で働くものの、所属会社が別であったり、指揮命令系統が違ったりすることがあります。
- 「看護師さん、これやっておいて」と介護業務を押し付けられる
- 医療的な判断に対して、介護スタッフから理解が得られにくい
- 「訪問看護の時間以外は対応しません」という態度をとると軋轢が生まれる
このように、職種間の壁や連携の難しさを感じることがあります。
2. 「訪問」以外の業務が発生することも
本来は訪問看護業務に専念すべきですが、施設の人手が足りない場合、食事介助やオムツ交換、レクリエーションの手伝いなど、実質的に施設スタッフのような動きを求められるケースがあります。
「看護業務に集中したい」と考えている人にとっては、ストレスになる可能性があります。
3. オンコール対応の負担
施設内訪問看護でも、24時間対応体制をとっている場合、オンコール(夜間待機)があります。
居宅の訪問看護に比べて、施設には夜勤の介護スタッフがいるため、軽微な用事で呼ばれることは少ない傾向にあります。しかし、入居者数が多く、医療依存度が高い施設の場合、看取りや急変対応で頻繁に出動しなければならないこともあります。
4. 閉鎖的な空間になりがち
外の空気を吸う機会が少なく、一日中同じ建物内で過ごすため、気分転換がしにくいと感じる人もいます。また、人間関係がこじれた場合、逃げ場がないと感じてしまうこともデメリットの一つです。
施設内訪問看護はこんな人におすすめ
メリットとデメリットを踏まえると、施設内訪問看護は以下のようなタイプの看護師に向いています。
- 運転が苦手・ペーパードライバーの人
- 移動がないため、免許がなくても働けます。
- 体力に自信がない人
- 天候による消耗や、重い荷物を持っての移動がありません。
- 一人での訪問に不安がある人
- 常に誰かが近くにいる環境で訪問看護デビューができます。
- じっくりと看取りに関わりたい人
- 終の棲家としての施設で、最期まで継続的に関わることができます。
逆に、「いろいろな場所に行って気分転換したい」「医療処置だけに特化して働きたい(介護業務は一切したくない)」という人は、通常の訪問看護ステーションや病院の方が合っているかもしれません。
求人選びで失敗しないためのチェックポイント
施設内訪問看護への転職を成功させるためには、求人票や面接で以下の点を確認しましょう。
1. 介護業務との兼務はあるか?
- 「あくまで訪問看護業務のみ」か「施設業務のヘルプも含む」かを確認しましょう。
2. オンコールの実働頻度は?
- 「電話対応のみ」が多いのか、「出動」が多いのかは、入居者の重症度によって異なります。
3. 施設の種類は?
- 「住宅型有料老人ホーム」なのか「サ高住」なのか、あるいは「ホスピス型」なのかによって、求められる医療スキルが大きく異なります。
まとめ
施設内訪問看護は、訪問看護のやりがいを感じつつ、移動の負担や孤立感を解消できる魅力的な働き方です。
一方で、施設スタッフとの連携や、施設ごとのルールの違いなど、特有の難しさもあります。
「移動がないから楽そう」という理由だけで選ぶのではなく、その施設がどのような医療・介護方針を持っているかを理解した上で応募することが大切です。
自分に合った環境であれば、利用者様とじっくり向き合い、穏やかかつ専門性の高い看護を実践できる素晴らしい職場になるはずです。