「今の職場でどれだけ頑張っても、年収400万円の壁すら超えられない……」
毎月の給与明細を見て、そんなため息をついていませんか?
介護支援専門員(ケアマネジャー)の仕事は専門性が高いにもかかわらず、雇われの身では給与水準が低いのが現実です。そこで選択肢として浮かび上がるのが「独立」です。
「一人ケアマネとして開業すれば、年収600万円も夢ではない」
そんな噂を耳にすることもありますが、果たしてそれは真実なのでしょうか、それとも甘い罠なのでしょうか。
この記事では、独立ケアマネの「お金」に関するリアルを包み隠さず解説します。具体的な収支シミュレーションを通じて、独立して成功するための条件を明らかにしていきましょう。
独立ケアマネの年収リアル!一人社長でいくら稼げる?
結論から言うと、一人ケアマネ(居宅介護支援事業所を一人で運営)として独立した場合、年収500万円〜600万円前後を目指すことは十分に可能です。
雇われケアマネの平均年収が約350万〜400万円程度であることを考えると、独立によって年収が1.5倍近くになるチャンスがあります。しかし、これはあくまで「順調に運営できた場合」の話です。
売上の上限は決まっている
介護保険制度ビジネスである以上、ケアプラン1件あたりの報酬単価は決まっています。また、ケアマネジャー1人あたりが担当できる件数にも標準担当件数(35件〜40件程度から逓減制が適用)という上限があります。
つまり、どんなに優秀なケアマネでも、「ケアプラン報酬のみ」で青天井に稼げるわけではないというのが最初のリアルです。
雇われと独立の決定的な違い
雇われの場合、あなたが稼いだ報酬の多くは、法人の運営費や事務員の人件費、内部留保に消えていきます。
一方、独立すれば「売上 − 経費 = 全て自分の収入」になります。
この「経費」をどれだけ抑え、「売上(件数・加算)」をどれだけ最大化できるかが、年収600万円の壁を超える鍵となります。
※単純に売上がすべて手取りになるわけではありません。ここを甘く見積もると失敗します。
【徹底シミュレーション】年収600万円は本当に可能か?
では、具体的な数字を使ってシミュレーションしてみましょう。
ここでは、以下の条件で「一人ケアマネ」として開業した場合を想定します。
- 地域: 地域区分による上乗せは考慮せず全国平均的な単価で計算
- 稼働: 開業後、軌道に乗って担当件数が満床に近い状態
ケース1:標準的な一人ケアマネ(加算少なめ)
まずは、特別な加算(特定事業所加算など)を取らず、基本的なケアプラン報酬のみで運営する場合です。
- 担当件数: 35件(要介護1〜5の平均)
- 平均単価: 約13,500円(基本報酬+初回加算等の平均ならし)
- 月間売上: 35件 × 13,500円 = 約472,500円
- 年間売上: 472,500円 × 12ヶ月 = 約567万円
ここから経費を引きます。
- 月間経費: 10万円(家賃按分、システム代、通信費、車両費、国保連請求ソフトなど)
- ※自宅兼事務所で家賃を抑えた場合
- 年間経費: 120万円
- 税引前利益(自分の年収相当): 567万円 − 120万円 = 447万円
【結論】
特定事業所加算などを取らずに35件程度を担当する場合、年収は450万円前後になります。雇われよりは高いですが、600万円には届きません。
ケース2:年収600万円を目指す「攻め」のモデル
次に、年収600万円以上を達成するためのモデルです。ここでは「件数MAX」と「加算取得」、「認定調査」を組み合わせます。
- 担当件数: 40件(逓減制にかかるギリギリまで稼働)
- 平均単価: 約14,000円(特定事業所医療介護連携加算やターミナルケア加算などを積極的に算定)
- 月間売上: 40件 × 14,000円 = 560,000円
- 認定調査受託: 月5件 × 4,000円 = 20,000円
- 月間総売上: 580,000円
- 年間総売上: 580,000円 × 12ヶ月 = 696万円
ここから経費を引きます。
- 年間経費: 120万円(ケース1と同様に徹底的に抑える)
- 税引前利益(自分の年収相当): 696万円 − 120万円 = 576万円
これでも600万円にはあと一歩です。しかし、法人化して節税対策を行ったり、認定調査の件数を増やしたり、あるいは小規模多機能型居宅介護などの併設事業所を持たない「単独型」として特定事業所加算(IIやIII)の取得要件を満たす工夫(※一人ケアマネではハードルが高いですが、連携体制を組む等)ができれば、600万円オーバーが見えてきます。
独立して年収600万円以上を稼ぐための3つの条件
シミュレーションからわかる通り、ただ漫然と独立するだけでは、雇われ時代とさほど変わらない年収になりかねません。高年収を実現するには以下の3つの条件が必要です。
1. 経費を極限まで削る(自宅兼事務所)
売上上限が決まっている以上、手取りを増やす一番確実な方法は「経費削減」です。
テナントを借りると、家賃だけで月5〜10万円(年60〜120万円)が消えます。これでは600万円は不可能です。
- 自宅の一部を事務所として申請する
- 中古の軽自動車を使用する
- 無駄なリース契約をしない
この徹底したコスト意識が、経営者としてのあなたの年収を決めます。
2. 営業力で早期に「満床」にする
独立直後は担当件数がゼロからのスタートです。件数が35件に達するまでの期間が長ければ長いほど、初年度の年収は下がります。
地域包括支援センターや病院の連携室、かつての同僚などへ営業を行い、「困難事例も断らない」「フットワーク軽く動く」という姿勢を見せて、最短で件数を埋める営業力が必須です。
3. プラスアルファの収益源を持つ
ケアプラン作成以外のキャッシュポイントを持つことです。
- 認定調査: 1件3,500円〜4,500円程度。数をこなせば月数万円の純増になります。
- 講師業・執筆: 専門性を活かしてセミナー講師やライターをする。
- 後見人活動: 社会福祉士などの資格もあれば成年後見人を受任する。
これらを組み合わせることで、ケアマネ業務の収入キャップ(上限)を突破できます。
独立ケアマネの「リアル」なメリット・デメリット
お金の面だけでなく、働き方のリアルについても理解しておきましょう。
メリット:圧倒的な「自由」と「裁量」
- 人間関係のストレス激減: 嫌な上司も、気の合わない同僚もいません。
- 時間の融通: 利用者の予定さえ調整できれば、平日の昼間に銀行に行ったり、子供の行事に参加したりすることも可能です。
- ケアの方針: 会社の利益優先の方針に縛られず、本当に利用者のためになるプランを追求できます。
デメリット:全ての責任と事務負担
- 代わりがいない: インフルエンザになっても、代わって訪問してくれる人はいません。24時間連絡体制も一人で背負う必要があります。
- 事務作業の山: 請求業務、加算の届出、実地指導対策など、ケアマネ業務以外の「経営事務」がのしかかります。
- 孤独: 相談できる相手がすぐ隣にいないため、判断に迷った時に孤独を感じることがあります。
まとめ:年収600万は「経営者」としての覚悟次第
ケアマネジャーが独立して年収600万円以上を稼ぐことは、決して不可能ではありません。しかし、それは「会社員感覚」を捨て、経費管理や営業活動を徹底する「経営者」になった場合に限られます。
- 自宅開業で固定費を削る
- 認定調査などでプラスの売上を作る
- 35件〜40件の担当を維持し続ける
この覚悟があれば、雇われ時代には得られなかった「高収入」と「自由な働き方」の両方を手に入れることができるでしょう。
まずは、自分の住む地域で開業要件を確認し、具体的な収支計画を立てることから始めてみませんか?
スラッグ・メタディスクリプション提案
スラッグ: caremanager-independent-income-real
メタディスクリプション:
ケアマネが独立(一人開業)した場合のリアルな年収をシミュレーション。年収600万円は可能なのか?売上・経費の計算から、高収入を得るための必須条件、メリット・デメリットまで、雇われケアマネが知りたい独立の現実を解説します。