画像3枚目 │ 就労移行支援を辞めたらどうする?後悔しないための7つの選択肢と次の一手

「就労移行支援を辞めてしまった…これからどうしよう?」 「次のステップに進みたいけど、何から手をつけていいか分からない」 「面接で、この空白期間をどう説明すればいいんだろう…」

就労移行支援を辞めた直後や退所を考え始めたとき、このような漠然とした不安と焦りに駆られていませんか?道に迷い、具体的な計画が立てられず、一人で悩みを抱え込んでいる方も多いかもしれません。

しかし、立ち止まることは決して悪いことではありません。その決断は「終わり」ではなく、あなたに本当に合った道を見つけ出すための「新たな始まり」です。

この記事では、就労移行支援を辞めた後の次の一歩を具体的に描けるよう、7つの選択肢を網羅的に解説します。さらに、多くの方が不安に思う「失業保険の受給」や「面接での空白期間の説明方法」まで、徹底的に掘り下げます。

この記事を最後まで読めば、あなたの状況に合った次の行動が明確になり、前向きな気持ちで新たなスタートを切れるはずです。

就労移行支援を「辞めたい」と感じる主な理由

まず、あなたが「辞めたい」と感じたり、実際に辞める決断をしたりしたのは、決して特別なことではありません。多くの人が、さまざまな理由で同じように悩みます。

  • プログラム内容が合わない:「思っていた訓練と違った」「もっと専門的なスキルを学びたい」
  • 事業所の雰囲気や人間関係:「スタッフと相性が悪い」「他の利用者と馴染めないのがつらい」
  • 体調や精神面での不安:「通所すること自体が負担になってきた」「症状が悪化してしまった」
  • 「このままで就職できるのか」という焦り:「2年という期間が迫っているのに、成長を実感できない」

このような悩みを抱えるのは、あなたが真剣に自分の将来と向き合っている証拠です。大切なのは、その気持ちを無視せず、次の一手を考えることです。

後悔しないために|辞める前に確認すべき3つのこと

もし、まだ退所手続きをしていないのなら、一度立ち止まって以下の点を確認してみましょう。勢いで辞めてしまい後悔しないために、とても重要なステップです。

  1. 事業所のスタッフに相談する まずは信頼できるスタッフに、感じている不安や不満を正直に話してみましょう。「プログラム内容を変更してほしい」「環境に馴染めない」といった悩みが、相談することで解決に向かうケースもあります。
  2. 別の事業所への変更を検討する 就労移行支援事業所は、全国に3,000か所以上あり、それぞれに特色があります。今の事業所が合わないと感じるなら、別の事業所に変更するのも有効な選択肢です。見学や体験利用を通じて、自分に合った環境を探してみましょう。事業所を途中で変えることは可能です。
  3. 失業保険(雇用保険)の受給資格を確認する 退職後に就労移行支援を利用していた場合、失業保険を受給できる可能性があります。しかし、退所してしまうと受給資格に影響が出る場合も。辞める前に、お近くのハローワークで自身の受給資格や手続きについて確認しておくことを強くおすすめします。

【関連記事】「今の事業所、合わないかも…」と感じていませんか?辞めたい気持ちを言い出せずに悩むのは、とても辛いですよね。こちらの「就労移行支援を辞めたいあなたへ|円満退所の伝え方・手続きから失業保険、再利用まで徹底解説」では、トラブルなく円満に退所するための具体的な伝え方と手続きを、例文付きで分かりやすく解説します。

【7つの選択肢】就労移行支援を辞めた後の次の一手

ここからは、就労移行支援を辞めた後の具体的な7つの選択肢を解説します。あなたの状況や気持ちに最も近いものから読んでみてください。

一般就労を目指す(再チャレンジ)

「今度こそ、自分に合った職場で働きたい」という気持ちがあるなら、具体的な就職活動を始めましょう。一人で進めるのが不安な場合でも、心強いサポート機関があります。

1. ハローワーク(公共職業安定所)

最も身近な相談先がハローワークです。特に「障害者専門窓口(専門援助部門)」では、障害への深い理解を持つ専門の職員が、求人紹介から就職相談、応募書類の添削まで、きめ細やかにサポートしてくれます。

  • メリット:地域の求人が豊富、無料で利用できる、障害に配慮した求人を探しやすい
  • 活用ポイント:定期的に通い、担当者と信頼関係を築くことが大切です。「どのような仕事が向いているか」といった段階からでも、親身に相談に乗ってくれます。

2. 障害者専門の転職エージェント

障害者雇用を専門に扱う民間の転職エージェントは、非公開求人(一般には公開されていない求人)を多数保有しているのが特徴です。専門のキャリアアドバイザーが、あなたの強みや希望を丁寧にヒアリングし、最適な企業を提案してくれます。

  • メリット:非公開求人が多い、専門的なアドバイスがもらえる、企業との間に立って条件交渉などを行ってくれる
  • 代表的なサービス例:atGP、dodaチャレンジ、LITALICO仕事ナビ など
  • 活用ポイント:複数のエージェントに登録し、自分と最も相性の良いアドバイザーを見つけるのが成功の鍵です。

3. オンライン求人サイト

自分のペースで仕事を探したい場合は、オンラインの求人サイトが便利です。「障害者向け」「合理的配慮あり」といったキーワードで検索すれば、多くの求人情報を効率的に比較検討できます。

別の福祉サービスで再スタートを切る

「すぐに一般就労するのは、まだ少しハードルが高いかも…」と感じるなら、別の福祉サービスを利用するのも賢明な選択です。

4. 就労継続支援(A型/B型)

就労継続支援は、一般企業で働くことが困難な方に、働く場と生産活動の機会を提供するサービスです。

  • A型:事業所と雇用契約を結び、最低賃金が保証されます。より一般就労に近い形で、安定した収入を得ながら働きたい方向けです。
  • B型雇用契約は結ばず、作業内容に応じた工賃が支払われます。体調に合わせて通所日数や時間を柔軟に調整しやすく、自分のペースで働くことに慣れたい方向けです。

まずは生活リズムを整え、働く習慣を身につけたい方にとって、心強いステップとなります。

5. 別の就労移行支援事業所を再利用する

「一度利用したら、もう使えないのでは?」と心配される方もいますが、就労移行支援は、条件を満たせば2回目の利用(再利用)が可能です。市町村の判断によりますが、原則として利用期間は通算で24か月(2年)です。以前の利用期間が残っている場合や、状況によって期間がリセットされるケースもありますので、まずはお住まいの自治体の障害福祉担当窓口に相談してみましょう。

スキルアップ・学び直しで自信をつける

6. 職業訓練(ハロートレーニング)

国が支援する公的な制度で、就職に必要な知識やスキルを原則無料で学べます。IT、Webデザイン、介護、事務、プログラミングなど、多種多様なコースがあり、自信を持って就職活動に臨むための大きな武器になります。お近くのハローワークで相談・申し込みが可能です。

アルバイト・パートで社会復帰の準備運動

7. 短時間から仕事を再開する

いきなりフルタイムで働くことに不安があるなら、週2〜3日、1日数時間といったアルバイトやパートから始めてみましょう。

  • 目的
    • 仕事のリズムを取り戻す:決まった時間に働く習慣を再び身につける。
    • 経済的な安定を得る:収入は精神的な安心に繋がります。
    • 社会との接点を持つ:人と関わることで孤立を防ぎ、自信を回復する。

徐々に心と体を慣らしていくための、重要なリハビリ期間と捉えましょう。

【最重要】治療・療養に専念するという選択

ここまで様々な選択肢を紹介しましたが、最も大切なのは、あなたの心と体の健康です。

もし就労移行支援を辞めた理由が体調面にあるのなら、今は無理をせず、治療や療養に専念することを選んでください。休むことは、後退ではありません。次の一歩を力強く踏み出すための、必要不可欠な準備期間です。主治医やカウンセラー、お住まいの地域の保健所や精神保健福祉センターなどに相談し、利用できる公的サポートを確認しましょう。

【お金の不安を解消】失業保険(雇用保険)はもらえる?

辞めた後の生活を支える上で、失業保険は非常に重要です。

受給の可能性

就労移行支援の利用前に雇用保険に加入していた期間などの条件を満たせば、受給できる可能性があります。特に、障害者手帳をお持ちの方は「就職困難者」と見なされ、自己都合退職であっても給付日数が手厚くなるなどの特例があります。

手続きの方法

  1. 管轄のハローワークへ行く:まずは自分の住所を管轄するハローワークの雇用保険窓口で相談します。
  2. 必要書類を提出する:離職票、雇用保険被保険者証、マイナンバーカード(または通知カード+運転免許証など)、証明写真、本人名義の預金通帳、障害者手帳などが必要です。
  3. 求職の申し込み:失業保険は「働く意思と能力がある」ことが前提のため、求職の申し込みを行います。

制度は少し複雑なため、必ず自分で判断せず、ハローワークの窓口で直接確認するようにしてください。

面接対策|「空白期間」をポジティブに伝える方法

就職活動で誰もが不安になる「空白期間の説明」。ポイントは、正直に、かつポジティブな言葉に変換して伝えることです。

  • 伝えるべきポイント
    • 辞めた理由を簡潔に:長々と話す必要はありません。
    • 他責にしない:「環境が悪かった」ではなく「自分自身の課題に気づき、向き合う時間が必要だった」という視点で。
    • 学んだことと前向きな姿勢:空白期間を「次への準備期間」と位置づけ、入社意欲に繋げます。

回答例文

<例文1:体調を理由に辞めた場合> 「前職を退職後、心身のコンディションを整えるため、就労移行支援事業所に通所しておりました。通所を通じて自己理解を深めましたが、安定して働き続けるためにはもう少し時間が必要だと感じ、一度退所して治療に専念いたしました。現在は体調も完全に安定し、主治医からも就労の許可を得ております。この経験から学んだセルフケアの方法を活かし、今後は貴社で長く貢献していきたいと考えております。」

<例文2:サービス内容が合わなかった場合> 「就労移行支援事業所では、ビジネスマナーやPCスキルの基礎を学びました。その中で、より実践的な〇〇のスキルを専門的に高めたいという気持ちが強くなりました。そのため、一度退所し、職業訓練校にて〇〇の資格を取得いたしました。この専門性を活かし、貴社の〇〇という業務で即戦力として貢献できると考えております。」

結論:あなたのペースで、あなただけの次の一歩を

就労移行支援を辞めた後、道が見えずに不安になるのは当然のことです。しかし、この記事でご紹介したように、あなたにはたくさんの選択肢があります。

  • 一般就労を目指す(ハローワーク、エージェント)
  • 別の福祉サービスを検討する(就労継続支援、就労移行の再利用)
  • スキルアップ・学び直しに時間を使う(職業訓練)
  • アルバイト・パートでリズムを作る
  • 治療・療養に専念する

大切なのは、焦らず、他人と比べず、あなた自身のペースで次の一歩を選ぶことです。どの選択が唯一の正解ということはありません。あなたが「これならできそうだ」と思える道が、今のあなたにとっての正解です。

この期間は、決して無駄な時間ではありません。自分自身と深く向き合い、未来のために準備をする大切な時間です。この記事が、あなたの次の一歩を応援する一助となれば幸いです。