在宅介護ガイド

介護保険を使い始めるまで|要介護認定の申請から、ケアマネジャーが決まるまで

公開 2026-09-17 / Findcare 編集部

介護保険のサービスは、保険証を見せればすぐに使えるものではありません。市区町村に「要介護認定」を申請し、認定を受けてから、ケアプランを作ってもらうという順番があります。この記事では、申請からケアマネジャーが決まるまでの流れを、順に説明します。

全体の流れ

  1. 市区町村に要介護認定を申請する
  2. 認定調査を受ける(自宅などで聞き取り)と、主治医意見書が作られる
  3. 審査・判定(コンピュータによる一次判定と、介護認定審査会による二次判定)
  4. 結果の通知(原則として申請から30日以内)
  5. ケアプランを頼む先を決めて契約する(要支援は地域包括支援センターなど、要介護は居宅介護支援事業所)
  6. ケアプランができて、サービスの利用が始まる

どこに相談すればよいか分からないときは、まずお住まいの地域の地域包括支援センターに電話してください(相談窓口)。

1. 要介護認定を申請する

申請できる人

介護保険の被保険者は、次の2つに分かれます。

  • 65歳以上の方(第1号被保険者):原因を問わず、介護や支援が必要になったら申請できます
  • 40〜64歳で医療保険に入っている方(第2号被保険者):介護が必要になった原因が、国が定める16の病気(特定疾病)の場合に限られます。がん(回復の見込みがないと医師が判断したもの)、関節リウマチ、初老期における認知症、脳血管疾患、パーキンソン病などです

申請先と、必要なもの

申請先は、お住まいの市区町村の介護保険の窓口です。

  • 申請書(窓口でもらえます。市区町村のホームページから取れることもあります)
  • 介護保険の被保険者証(65歳以上の方)
  • 医療保険の被保険者証(40〜64歳の方)
  • 主治医の名前と医療機関(申請書に書きます)

本人や家族が窓口に行けないときは、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、一部の介護保険施設に、申請の手続きを代わりに行ってもらうことができます。これは介護保険法で決められています。入院中の場合は、病院の医療ソーシャルワーカーに相談してください。

2. 認定調査と主治医意見書

認定調査

申請すると、市区町村の職員などが自宅や施設を訪ねて、本人に会って聞き取りをします。心身の状態や、暮らしている環境などを確認します。調査は、市区町村から委託を受けた居宅介護支援事業所などのケアマネジャーが行うこともあります。

調査を受けるときは、次のことを心がけてください。

  • ふだんの様子を伝える(調子の良い日だけで判断されないように)
  • 困っている場面を、時間帯や回数つきで伝える(夜中に何回トイレに起きる、など)
  • 本人の前で言いにくいことは、メモにして調査員に渡す
  • できれば、ふだんの様子を知る家族が同席する

正当な理由なく調査に応じないと、申請が却下されることがあります。日程が合わないときは、早めに連絡して調整してください。

主治医意見書

市区町村が主治医に意見書の作成を依頼します。申請する人が医師に頼みに行く必要はありません。主治医がいない場合は、市区町村が指定する医師の診察を受けます。意見書の作成料の自己負担はありません。

主治医には、ふだんの診察で、生活の中で困っていることも伝えておくと、意見書に反映されやすくなります。

3. 審査と判定

認定調査の結果と主治医意見書をもとに、2段階で判定します。

  • 一次判定:調査結果と意見書の一部の項目をコンピュータに入力し、全国一律の方法で判定します
  • 二次判定:保健・医療・福祉の専門家でつくる介護認定審査会が、一次判定の結果と主治医意見書などをもとに判定します

4. 結果の通知

通知までの日数

市区町村は、原則として申請の日から30日以内に結果を出すことになっています。調査に時間がかかるなど特別な理由があるときは、30日以内に、あとどのくらいかかるかと、その理由が通知されます。

認定の区分

結果は、次のどれかです。

区分ケアプランを頼む先
要支援1・要支援2地域包括支援センター(または、指定を受けた居宅介護支援事業所)
要介護1〜要介護5居宅介護支援事業所(施設に入る場合は、施設のケアマネジャー)
非該当(自立)介護保険のサービスは使えません。市区町村の事業で、生活を支えるサービスを使える場合があります

認定の結果は、被保険者証に書かれて返ってきます。認定の効力は、申請した日にさかのぼります。

有効期間と更新

認定には有効期間があります。

  • 新規・区分変更:原則6か月(状態に応じて3〜12か月)
  • 更新:原則12か月(状態に応じて3〜48か月)

有効期間が切れるとサービスを使えなくなるので、更新の申請が必要です。更新の申請は、有効期間が終わる日の60日前からできます。

状態が大きく変わったときは、有効期間の途中でも区分変更の申請ができます。

申請中にサービスを使いたいとき

急いでサービスが必要なときは、結果が出る前に使い始めることもあります。ただし、結果が見込みより軽かったり、非該当だったりすると、使った分の自己負担が増えることがあります。申請中に使うときは、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に相談してから決めてください。

結果に納得できないとき

  • まず市区町村の窓口に、判定の理由をたずねます
  • 状態が変わっているなら、区分変更の申請を検討します
  • 結果そのものに不服があるときは、都道府県に置かれた介護保険審査会に審査請求ができます。期限があるので、通知書の案内を確認してください

5. ケアプランを頼む先を決める

要支援1・2の方

ケアプラン(介護予防サービス計画)は、地域包括支援センターに相談して作ってもらいます。

2024年4月からは、居宅介護支援事業所も、市区町村の指定を受けて介護予防支援を行えるようになりました。 指定を受けている事業所なら、要支援の方のケアプランを直接頼むこともできます。どの事業所が指定を受けているかは、市区町村か地域包括支援センターにたずねてください。

要介護1〜5で、在宅のサービスを使う方

居宅介護支援事業所を選んで契約し、そこのケアマネジャー(介護支援専門員)にケアプランを作ってもらいます。

  • Findcare の居宅介護支援の事業所一覧から、地域の事業所を探せます
  • 地域包括支援センターや市区町村の窓口でも、事業所の一覧をもらえます
  • 入院中なら、医療ソーシャルワーカーが紹介してくれることもあります

事業所の選び方、相性の見極め方は「ケアマネジャーの選び方と変え方」にくわしくまとめています。 この記事では、契約の流れだけを説明します。

市区町村への届出

ケアマネジャーにケアプランの作成を頼むことを、市区町村に届け出ておくしくみがあります。届出をして、ケアプランにそってサービスを使うと、事業所には自己負担分(1〜3割)だけを払う形になります。届出の手続きのしかたは、契約する事業所か市区町村の窓口に確認してください。

6. 契約からケアプランができるまで

居宅介護支援事業所と契約するときは、次の順に進みます。国の運営基準で、事業所が行うことが決められています。

  1. 重要事項の説明と同意:事業所は、運営の内容などを書いた文書を渡して説明し、同意を得てから始めます
  2. 説明を受けておくこと:ケアプランは本人の希望にもとづいて作ること、サービス事業所を複数紹介するよう求められることなどの説明があります
  3. アセスメント:ケアマネジャーが自宅を訪ね、本人と家族に会って、困りごとや希望を聞き取ります
  4. ケアプランの原案づくり:サービスの種類・回数・費用の見込みなどを書いた原案を作ります
  5. サービス担当者会議:サービス事業所の担当者が集まり、原案について意見を出し合います(本人・家族の参加が基本です)
  6. 同意と交付:原案の説明を受け、文書で同意すると、ケアプランが渡されます
  7. サービスの利用開始:各サービス事業所とそれぞれ契約して、利用が始まります

事業所は、正当な理由なくケアマネジメントの提供を断ってはいけないことになっています。

始まってからの関わり

  • ケアマネジャーは、少なくとも月に1回、本人に会って様子を確かめます。原則は自宅への訪問です(条件を満たせば、2か月に1回の訪問と、テレビ電話などでの面接を組み合わせることもできます)
  • 要介護認定の更新や区分変更があったときは、ケアプランを見直します
  • 入院したときは、ケアマネジャーの名前と連絡先を病院に伝えるよう、契約のときに求められます

ケアプランの費用

居宅介護支援(ケアプランの作成や、事業所との調整)には、利用者の負担がありません。 費用は全額が介護保険から支払われます。自己負担がかかるのは、ケアプランにそって使う訪問介護やデイサービスなどのサービスです(在宅介護の費用)。

ケアマネジャーは変えられる

担当のケアマネジャーや居宅介護支援事業所が合わないと感じたら、変更を相談できます。自治体の案内では、たとえば次のような手順が示されています。

  1. 新しくお願いする居宅介護支援事業所を探す
  2. これまでの事業所にも連絡する
  3. いつから新しい事業所に担当してもらうか、新旧の事業所と相談する
  4. これまでの事業所との契約を終え、新しい事業所と契約する

手続きの細かい点は、市区町村によって違うことがあります。変えるときの考え方は「ケアマネジャーの選び方と変え方」をご覧ください。

どんなサービスがあるかは「在宅介護のサービス一覧」にまとめています。

参考にした資料

よくある質問

主治医意見書やケアプランの作成に、お金はかかりますか。

主治医意見書の作成料は、申請する人の自己負担はありません。認定のあとにケアマネジャーにケアプランを作ってもらう費用も、利用者の負担はありません(全額が介護保険から支払われます)。

本人や家族が窓口に行けないときは、どうすればよいですか。

地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などに、申請の手続きを代わりに行ってもらうことができます。介護保険法で、代わりに申請できる機関が定められています。まずは地域包括支援センターに電話で相談してください。

認定の結果に納得できないときは、どうすればよいですか。

まず市区町村の担当窓口に、判定の理由を確認してください。状態が変わっているときは、有効期間の途中でも区分変更の申請ができます。結果そのものに不服があるときは、都道府県の介護保険審査会に審査請求ができます。期限があるので、通知書の案内を確かめてください。

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